第116回看護師国家試験の必修問題(50問・40点以上)の合格基準と、一般・状況設定問題の合格点の決まり方
こんな人に第116回看護師国家試験を受ける人、看護学生
看護師国家試験の合格基準は、必修問題と、一般問題・状況設定問題の2つに分かれています。どちらも満たさないと合格になりません。厚生労働省の合格発表と、試験制度を検討した部会の資料から、点の数え方と合格点の決まり方を並べます。
先に要点を書きます。
- 240問のうち、必修問題が50問(50点)、一般問題が130問(130点)、状況設定問題が60問(1問2点で120点)です。
- 必修問題は、第111回から第115回まで毎回「40点以上」が基準でした。満点のおよそ8割です。
- 一般問題・状況設定問題の合格点は回ごとに変わり、5回では148点から167点の間でした。
- 必修問題は「絶対基準」、そのほかは「相対基準」と、2002年の部会の報告書で決められています。
240問の内訳と配点
試験は午前と午後に120問ずつで、解答時間はどちらも2時間40分です。第115回の問題冊子では、午前・午後とも、問1〜25が必修問題、問26〜90が一般問題、問91〜120が状況設定問題(1つの事例に3問ずつ)の並びでした。
| 区分 | 問題数 | 配点 | 満点 |
|---|---|---|---|
| 必修問題 | 50問 | 1点 | 50点 |
| 一般問題 | 130問 | 1点 | 130点 |
| 状況設定問題 | 60問 | 2点 | 120点 |
出典: 第115回看護師国家試験の問題および正答について(厚生労働省) / 第115回看護師国家試験の合格発表(厚生労働省)
必修問題と一般問題は1問1点、状況設定問題は1問2点です。一般問題と状況設定問題は合わせて数えるので、満点は130点+120点で250点になります。採点から除外された問題があると、その分だけ満点が減ります(第115回は249点)。
合格基準は2つとも満たす
第115回の合格発表には、次のように書かれています。
- 必修問題 40点以上/50点
- 一般問題・状況設定問題 166点以上/249点
この「全てを満たす者を合格とする」とされています。必修が40点に届かなければ、一般・状況設定がどれだけ高くても不合格です。逆に、必修が満点でも、一般・状況設定が合格点に届かなければ不合格です。
第111回から第115回の基準
| 回 | 必修 | 一般・状況設定 | 割合 | 合格率 |
|---|---|---|---|---|
| 第111回 | 40点/50点 | 167点/250点 | 66.8% | 91.3% |
| 第112回 | 40点/50点 | 152点/249点 | 61.0% | 90.8% |
| 第113回 | 40点/49点 | 158点/250点 | 63.2% | 87.8% |
| 第114回 | 40点/50点 | 148点/250点 | 59.2% | 90.1% |
| 第115回 | 40点/50点 | 166点/249点 | 66.7% | 88.3% |
出典: 第111回の合格発表 / 第112回の合格発表 / 第113回の合格発表 / 第114回の合格発表 / 第115回看護師国家試験の合格発表(厚生労働省)
第111回は2022年、第115回は2026年の試験です。「割合」は、一般・状況設定の合格点を満点で割った数です(上の表から計算)。必修問題は5回とも40点が基準で、一般・状況設定は5回で19点の幅がありました。いちばん低かったのは第114回の148点、いちばん高かったのは第111回の167点です。
必修は「絶対基準」、そのほかは「相対基準」
厚生労働省がまとめた試験の改善の経過によると、必修問題は2002年(平成14年)の部会の報告書を受けて、2004年(平成16年)の試験から入りました。このとき合格基準は「必修問題は絶対基準、その他は相対基準」とされています。必修問題ははじめ30問で、2010年(平成22年)から50問になりました。
絶対基準は、何点とれば合格かが先に決まっている決め方で、看護師の必修問題では毎回の40点がそれにあたります。相対基準は、その回の受験者の得点の状況を見て合格点を決める決め方で、一般・状況設定の合格点が回ごとに変わるのはこのためです。合格点の細かい計算のしかたは公表されていません。
2026年3月にまとまった最新の部会の報告書でも、合格基準は「経年的な合格状況や得点状況を踏まえ、現状維持とすることが望ましい」とされています。
出典: 保健師助産師看護師国家試験の変遷について(厚生労働省・PDF) / 保健師助産師看護師国家試験制度改善検討部会報告書(2026年3月・厚生労働省・PDF)
採点から除外された問題があったとき
問題に誤りや分かりにくい所があると、その問題を採点から除外したり、複数の答えを正解にしたりすることがあります。必修問題で除外があると、必修の基準も変わります。
第113回は必修問題が49点満点になり、基準は40点以上/49点でした。さらに、必修問題の一部を採点対象から除外された受験者には、次の基準が示されています。
| 必修問題の総点数 | 必修問題の基準 |
|---|---|
| 48点 | 39点以上 |
| 47点 | 38点以上 |
| 46点 | 37点以上 |
| 45点または44点 | 36点以上 |
出典: 第113回の合格発表
第111回も、一部の問題を採点対象から除外された受験者は、必修問題40点以上/49点、39点以上/48点とされました。第115回は、午前の問32と問80が採点除外等の扱いになり、一般・状況設定の満点が249点になりました。
出典: 第111回の合格発表 / 第115回看護師国家試験の合格発表(厚生労働省)
必修問題は、くり返し出る基本の問題
2026年3月の報告書では、必修問題について「看護師にとって特に重要な基本的事項を問うもの」で、「限られた範囲の中で繰り返し問うことが妥当」とされています。そのうえで、必修問題の既出問題は、表現や選択肢を変えずに出題することも可能とする、と書かれています。
出典: 保健師助産師看護師国家試験制度改善検討部会報告書(2026年3月・厚生労働省・PDF)
過去問で点を出すときの分け方
ここからは、過去問アプリを作っている立場からの提案です。合格を約束するものではありません。
過去問を通しで解いたら、点を1つにまとめず、必修問題の点と、一般・状況設定の点を分けて出します。必修は50問中11問を落とすと39点で基準に届かないので、落とせるのは10問までと考えると分かりやすくなります。一般・状況設定は、状況設定問題が1問2点なので、同じ1問でも一般問題の倍の重さがあります。
第115回の合格点は249点中166点でした。過去5回では148点から167点だったので、自分の点を毎回この幅と並べておくと、本番までに足りない分が見えます。必修は、間違えた問題に印をつけて、2回続けて正解できるまで日を空けて解き直すのがおすすめです。日程と願書のことは第116回の願書の受付と出す書類にまとめました。
よくある質問
一般・状況設定の点が合格点を大きく超えていれば、必修が39点でも合格できますか。
できません。合格発表では、必修問題の基準と、一般問題・状況設定問題の基準の「全てを満たす者を合格とする」と書かれています。どちらか一方が足りなければ不合格です。
第116回の一般・状況設定の合格点は、いつ分かりますか。
合格発表の日(2027年3月24日午後2時)に、厚生労働省のホームページで合格基準として発表されます。試験の前に何点と決まっているわけではありません。
必修問題の基準が8割から変わる予定はありますか。
2026年3月にまとまった制度改善検討部会の報告書では、合格基準は「現状維持とすることが望ましい」とされています。
必修問題は過去問と同じ問題が出ますか。
同じ報告書に、必修問題の既出問題は表現や選択肢を変えずに出題することも可能とする、と書かれています。どの問題が出るかは分かりませんが、過去の必修問題を解き直しておく意味はあります。